Sep 8, 2011

Parisへ おばあちゃん

念願だったparisへの出発準備が、いよいよ架橋に迫ってきた。
なにか実感がないために、あせる。あせる。
なにか地に足がつかず、なにをやってもするするとすり抜けるようで、実体がなく、実感がない。
そんな状態で、駆け足で最後の準備を始めた。
会いたい人、会えなかった人。
お祝い会を開いてもらったり、再会。うまい酒。ひさびさに飲み過ぎた酒。飲まずに酔える酒の会。
本当に仲間に、人に恵まれていた日本での生活。
準備に焦る中で、ふとみた景色の美しさ。空の美しさ。
やっぱり俺は、日本を心から愛していたんだときづいたら泣けてきた。
大好きな今は施設に入っている、ばあちゃんに会いにいった。
ばあちゃんは、目を潤ませて、言葉にならない言葉で、俺の心に訴えかける。
俺が旅立つって解ってたみたいだった。しばらく2人の時間を過ごした。
涙をこらえた。もう会えないかもしれないのを悟られたくなかったから。
でも、ばあちゃんは、一生懸命俺の心を慰めてくれた。会話しなくても、心で通じ合った。
とても幸せだった。
俺は、幸せとは、何かを達成したり、誰もやってないことをやったり、社会的に成功したり、欲しいものを手に入れたり、おいしいものを食べたり、そういう欲求を満たした時のハイな状態や、気持ちのことだと思っていた。でも、ちがうって、少しずつだけどきづいていた。
幸せとは、普段当たり前だと思っているような暮らしの中にあって、大切な家族と一緒にいる時間だったり、仲間と過ごす時間の中にあるのだと。
そういう何気ない幸せが、心を揺り動かす。
ありがとう。ばあちゃん。
今までで一番きれいな空を見た。青く透明な秋空だった。

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