May 7, 2014

絵画納品 Reims

先日、前回のパリの個展2012夏にて展示した作品、Tsunamiを見て絵画作品を注文してくれた顧客の住むReimsへと作品の納品へ行ってきた。

Reimsは、パリからTGVで東へ約1時間の場所にある歴史ある都市である。
作品の注文から実に2年近くの年月が流れた。制作に1年、その他の作業にもたくさんの時間がかかった。
 
顧客の自宅に伺うとそこは17世紀の貴族の住んでいた邸宅でその大きさには圧倒された。特に室内の応接間にある絵画などの装飾品が家具と一体化していて重厚な存在感と歴史ある趣を備えていた。
顧客である氏は、寡黙な人柄でありながらただ者ならぬオーラを携えていた。彼の家族も教養高く寛大な人柄で私を歓迎してくれた。
彼らはある日本人の方を通して日本を、とてもよく知り3週間ほどかけて日本中を回ったそうだ。
彼らは、一般のフランス人に比べて明らかに朗らかで寛容な気質を備えており、異文化に対しての理解と、そして芸術へのなみなみならぬ敬意を感じさせてくれたのであった。
作品の説明にも自然と熱意がこもる。
入り口の床に巨大な作品を広げその作品を階段の上から皆で見下ろすと言う形で作品の鑑賞を行った。
驚いたのは彼の妻と子供たちも芸術に対して造詣が深かったことであった。
作品の完成をこうやってたくさんの人と分かち合うことが芸術家の至福の瞬間でもある。
氏と共に、大聖堂などの観光地を周ると共に、最後には氏の経営する市内中心部にある弁護士事務所を訪れた。
各部屋の壁には氏のコレクションしたアート作品が並び、氏の審美眼の高さをうかがわせた。従業員が休む場所にもアート作品が展示されており時間の大切さについて感じさせ、考えさせるような仕組みとなっていた。私たちは金銭の交渉を行いそして帰路についた。
広い邸宅の裏にはまた広い裏庭が広がっていた。その日は1泊させてもらうことになり次の日パリへと帰ることになった。
朝から市内を観光しシャンパン造りのカーブを見学し町の中心部を見て電車までの時間を待った。
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歴史あるシャンパン作りのカーブではアートの展示が村興し的に行われていた。

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約2年越しでの仕事を通して自分が成長し新たなステージへと突入することを明確に認識した旅となった。
特に、この作品制作は豊かさを感じさせてくれ、もたらしてくれるものとなった。

 
氏は亡くなった父方の祖父にとてもよく似ていた。祖父が亡くなっても様々な事情などで帰国することができなかった前回の滞在の最後に個展を開催する事ができ、氏と出会ったのであった。
何か亡くなった祖父が私を助けてくれているような気がして、とてもうれしい気持ちになった。
作品を納品する出発前に自宅で出発の準備をしているとラジオから威風堂々が聞こえてきた。丸めた槍のような形のキャンバスを持って出発する時まるで戦場に行くような気分だった。それはとても誇らしい気分だった。異国の地で正々堂々と胸を張って歩いていこうそう思ったのだった。

 

 
 

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コメント1件

  | 2014.07.20 17:20

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はじめまして、Takuji Ando(安藤卓児)|Ameba (アメーバ)さん。
ブログ拝見させていただきました☆
更新楽しみにしてます!

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