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Oct 4, 2011

家 赤い衝動

家とはなんだろう??
住処。
安住の地。
家が決まった。

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Paris郊外の村で、日本人のミュージシャンの方のお宅の、三階に住むことになった。
縁とは不思議である。
遠くフランスまで来て、沖縄の三線に再会するとは。
最初は弾けなかった。
都会の暮らしと、左脳の使い過ぎで、勘がずれていた。
しかし、やるほどにもどってくる。
今はゆっくりしよう。
どうしょうもなく、休みたくなった。
猫が寝ていた。
俺も、ごろんと横になって、太陽をあびたり、食べたり、
ぼ~っと庭をながめたり。
教会の鐘のをとなんかを聞いて、なんとなくすごしてみた。
体調がよくなっていくのを、腹の底で感じていた。

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アトリエも借り受けた。
楽器が並んでいる。
そこには、どんな色があるのだろう。
クリーニングして、新しい色を塗る。
音楽のように、そいつは飛び跳ね、踊り、そしてぽたぽたとたれる。
赤い絵の具が舞い上がる。
日の丸の赤だった。

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俺が日本で見た赤が、フランスで、今か、今かと、出番を待っている。
そんな想像が、俺の頭で踊る。
大地からの、根っこからの、精霊からの、土からの声が聞こえる。
衝動にかられる。
画材を買って、備えよう。
これから第二章が始まった。

 

Sep 25, 2011

おやすみ。

風邪を引いてからなかなか調子が上向かないが、気持ちだけは上を向いていたい。
無理することに疲れたから、自然にいこう。
すべては、うまくいっている。自然に流れに乗っていこう。~~~~~~~~~。
風が吹いた。
ブログも生まれ変わった。
ヒュ~~~~~~~~~~~。
明日も良い日になるといいな。
風がよく変わる街だ。

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Parisにいるってことも、もうすっかり普通になろうとしていた。
でもたまにひっかかる。
のどもとに風邪の菌がいるからかな。
吐き出して前に進もう!!
未来は明るいからここに来たんだった。
忘れかけた光がさした。
誰のもとにも光は射す。
きづいたら、心を開いていこう。

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世界中の人たちが、ここに集まる。
よくわかるよ。きょうは。
今夜はよく眠れそうだ。
おやすみ。
月は優しく微笑む。
最高の笑顔が心を溶かしていく。
開いていく。
おやすみ。愛する日本。

 

Sep 23, 2011

風に吹かれて

風邪を引いた。
新しい環境に、新しい菌が迫りくる。
かわせずに波に飲まれた。
そして長引いた。
波紋が広がり、カエルはくるくる回り、上も下もわからない。
マフラーを巻いた。
緑色だった。
また旅人が旅立った。
何人見送ってきただろう。
新しい旅に幸あれ。
チリから赤い風がくる。
オーストラリアからの青い風。
気持ちがいい。
今日は、携帯をかいにいこう。
オレンジの。
さわやかな気持ちに生まれ変わり、また旅に出よう。
いってきます。

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Sep 22, 2011

宿探し

宿探しの宿六の話をしよう。
住む家が、なかなか見つからない。
消去法で消えていく、古い価値観。
壊れていく知識と、獣の知性に、教会が答える。
旅人よどこへ行く?
何を求めている?
弱気にもなるときもある。無理がたたると、体が先に答えを出す。
頭はいつも、独立国のような顔で、権利や、領土を主張する。
体はいつも、海賊のようにストレートに、好き、嫌いをはじき出す。
ケバブを体が拒んだ。
熱が出た。
でも負けなかった。

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宿六は、家を探すヤドカリのようだ。
あっちへ行き、こっちへ行き、定住先がなかなか見つからない。
祈る。
全ては完全なるタイミングで訪れる。
サクレクールは今日も微笑む。
浄化された身で、街へ出る。
今以上を望む人々。
今を大事に生きる人。
落ちぶれたくない人々。
落ちた人々。
昇った人々。
天使。昇天。
聖なる力に抱かれ、生きている自分に感謝が芽生えた。
街では、また人々に微笑みかける。
わかってきたんだ。
暮らし方が。
見えているんだ。
光が。

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Residenceに応募した。
受かるだろう。
来年からのスタートだ。
新しい始まりに感謝せずには、いられなかった。
信じよう。自分を。
選んだ場所だ。
絶対に負ける訳がなかった。
勝利。
光とともに。
もうすぐだ!!

 

Sep 16, 2011

青い空

流れるように移動する民。
遊牧民に憧れた。
今日も探し物をする。
街へ。マレ地区へ。
外された純色の服や靴。
あらゆる人種のファッションが、交差しParisの顔を作る。
日本の友人と歩く。
手がかりを、遊戯に変える。
あらゆるところにヒントがある。
湧き上がる泉。
絶えることなく流れ出てくるインスピレーションは、とても刺激的だ。
つながる点と点が、色になる。
色と色が出会い恋をする。
恋と恋が、愛を生む。
街角の至る所で愛を育む街Paris。
古い教会には、ホームレスが古ぼけた姿で横になっている。
それすらARTにできる。
詩人が歌う。
Beatにのせて。
ここは都会だ。
黒い肌の若者達のアイデアが足下を彩る。
青や黄色のシューレース。
アクセントは蛍光色で、黒に映える。
一人歩く。
好きにやろう。
そう決めたんだった。
開かれた扉は、とても重く重厚な中世式だった。
さあ空を飛ぼう。
空はどこまでも青く透明に自由を歌う。
フランスの歌は聞こえる。

 

 

Sep 16, 2011

サクレクール

ユースホステルでは、たくさんの人たちがすれ違い、出会い、交差する。
文化や言葉、ファッションや、考え方すらも。
オーストラリアの酒の飲み方。遊び方。
映画を評論する太ったAndyが、タケシキタノの映画の話をした。
夜中にみんなでサクレクールへ行った。
朝とは違う顔が微笑む。
満月だった。
うすくグレーの雲にかすむ空は月を絶妙に支える。
その中にサクレクールがぼんやりと、だが圧倒的な迫力でたたずむ。
階段からParisの街が一望できる。
ここは山の上。

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アラブ系や、アフリカ系の若者達が、夜中に寒さの中歌を歌う。
柄が悪いと評判の彼らだが、酒を飲み話すと、まっすぐな目で答えた。
シリア、アルジェリア、エジプト。
テレビの中の知識が崩れ、彼らの前には、赤い花が咲いていた。
初めてあったもの達が遊ぶ夜。
Parisはどこまでも深く、淡く、強烈に存在している。
ただ実感だけが俺の心を揺さぶる。
美しい街、Parisは、月夜に映える。

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Sep 12, 2011

祝福の朝

Rivoli59に着いた。
ここは、Artist達が、squatして勝ち取った自由が残る集合アトリエだ。
多国籍さを日本人Artistが翻訳してくれる。
彼らのOpenさに自分の心も開いていく。扉を開けると世界が広がる。虹色だ。
新しく何かを始められそうだ。
ここParisで。
Artに人生をかけた。開いた道がここにつながっていた。
これからどこへ行くのか。
でも不思議とあれほど怖かった変化が、怖くなくなっている。
適応している。
水を得た魚が泳ぎ回っていた。
錦鯉、大正三色だ。
Parisの街は、前回来たときより、色にあふれている。
色の数だけ喜びがある。楽しみがある。
もう何も怖くない。
飛び込んで、身を投げ出してみよう。
運命の中に。
俺は神に祈りを捧げる。
神様ありがとうございます。
私を正しき道に導いてください。
神は答えてくださる。
光の中に身を委ねる。
美しい光は、Parisを祝福する。
そしてここで生きる自分の幸福をかみしめる。
すこしほろ苦く、すこしスパイスのきいた、美しい飾り付けの、実直さにあふれたとても逞しい味だ。
詩人が目を覚ます。
朝。
鳥の歌と、詩人の朗読が、モンマルトルの朝を懐かしさとともに彩る。
また一日が始まる。
これがParisか。

 

Sep 10, 2011

Parisの色彩

Parisに着いた。
実感は薄い水色だ。
淡くぼけた頭に、個性の強い色が飛び込んでくる。
道行く人は多国籍で、アフリカの衣装が、においが飛び込んでくる。
アジアの、集団がばらけていく。
混ざり合い混食した色はマーブルの黄色やピンク、チョコレート色になりうごめいている。美しく。

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モンマルトルを目指す。
ここから俺の物語は始まった。
前回の続きを始めよう。コンティニューする。RPG。
ホテルも多国籍のユースホステルへ。
歩いてサクレクール寺院へ。
祈りと感謝を神に捧げる。
ここでの生活の始まりに感謝を。そして根を張る。
強く、華麗に、でもとてもとても、逞しく。
Brazilの友達が出来た。
親友のように気さくに語り合える。Amigos。
遅くまで飲み明かした。
いろんな人が混ざり合い、また人が好きになった。
マインドは、すっかりオープンになっていった。
Rivoli59へ向かう。

 

Sep 10, 2011

Parisへ 3

当たり前だと思っていたことのありがたさに気づく。
便利で、不自由がなさすぎても人間は刺激を、変化を求める。
全く満たされず、不自由が多い生活の中では、人は救いを求める。
ではちょうどいいバランスとはなんだろうか?
おなかがいっぱいのときに、どんなすばらしい料理をみてもなにも感じないだろう。
自分を潤し、乾きをいやす。満たされる。感謝する。
自分の中の丁度良いに敏感でありたい。
欲張ることよりも、譲り合えるような、自分でいたい。
お母さんからもらっていた愛情の尊さに気づく。
大好きな彼女からもらっていた、優しさと愛に気づく。
人生はすばらしい。魔法のようにすべてが動き出す。
あなたが望むなら。
劇的な変化に戸惑い、なぜいくのか否定的な考えが頭をもたげた。
飛行機の中だった。
あれほど行きたかったFrance。いざいけるとなると、尻込みした。
変わりゆく古い自分への執着だった。
痛みをともなって、過去から自分を切り離した。
大切なものは、以前より輝きをまして残った。キラキラと光った。
飛行機の外では、信じられないほどの美しい景色が広がっていた。
新しい朝だった。
太陽は金色に光輝き、日出ずる国の若者を祝福しているかのように思えた。
いよいよFranceに着く。
日本語の歌を聴いた。心に響く歌だった。
さくら独唱。夏川りみ。
泣いた。
tomorrow never knows 和田アキ子。
励まされた。
世界に一つだけの花。沢田知可子。
胸をはり、自分を肯定できた。
俺は、おれだ。
それ以上でも、それ以下でもない。
だからとても尊い。
自信がじわじわと湧いた。
よし、やれる!!
あたらしい出発を祝う暖かい心の花束が、俺の胸に届いた。
虹色だった。

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Sep 8, 2011

Parisへ 2

帰りに、じいちゃんの家へ行った。
じいちゃんは、今一人で住んでいる。ばあちゃんが、施設に入ったからだ。
じいちゃんが、ぜひ旅立つ前によってくれとのことだったが、時間も限られ、なんとかたどり着いた。
じいちゃんは風呂に入るとこだった。
チャイムを押すと、裸で出てきた。オムツをするその姿に、年とったよな~。そう思った。
無言で財布を捜すと、大変な経済状態の中、俺になけなしの一万円札を握らせた。
苦しい中でも、なにかしてやりたい。あつい九州の男らしい心だった。
あれだけPlay Boyだった粋な柳川男も、見た目はすっかり衰えた。
しかし、かっこ良かった。
じゃあかえるよと告げると、後ろを振り向かずに、裸の背中で、俺にさよならを告げた。
一万円は、重かった。
じいちゃんの気持ちが、後になって心を打つ。
ありがとうじいちゃん。
ガンですっかりやせた、じいちゃんの背中は男を静かに語っていた。
俺も負けない!!がんばるよ!!

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