月夜と焼き芋と、アル中の話し。〜友情っていいですね。〜
久々に、駄文を書いてみたくなった。
あまり考えずに。ただダラダラと。
二日酔いのせいもあるのだろう。
しゃきっとしない頭と、糖分のみなぎった重い体には、駄文がよくにあう。
昨日は、久々に地元の仲間達と集まった。
毎年秋に恒例になっている焼き芋を焼く会合が、いつもの河原で開かれたのだ。
会合というが、みんなで火をかこんで、しゃべったり、たまに楽器を弾いたり、酒をのんだり、飲まなかったりしてその時間を過ごす訳だが、数少ない仲間が集まる機会であり、数少ないアウトドアの機会でもあるのだった。
薪となる木は、だいたい現地調達する。
林に分け入って、枯れ木を拾って集めたり、林の中から引っ張りだして集める事になるのだが、この刈りにも似た作業がいつもおもしろいのだった。
今年は、かなり大きな木が見つかったので、そいつをナタでいくつかに切って燃やしたり、火をつける効率が良くなっている事に驚いた。
フランスで寒い冬場に暖炉を燃やす為に、火の起こし方を覚え、火と友達になった成果が確実に現れたのだった。お~よく燃えとるな~。
ウクレレと、ボンゴ、ビール瓶で音楽も何となく始まり、なんとなく終わる。
豊田のパンクスピリットが降霊し、少しがなりたてるように歌った。
ああ豊田らしいな。この感じ。反逆的なエネルギー。
みんな仕事をもって、結婚したり、子供が出来たり。あれからかなり時間がたった。
二十代前半から中盤まで、いつも馬鹿な事をしていた。馬鹿騒ぎが日常で、常に退屈と、鬱屈したエネルギーをもんもんと抱えており、あり余ったエネルギーでいつも何か楽しい事、刺激のある事を探していた。
冒険へ出かけたり、いろんな服を組あわせたり、モラルも自分たちで決めていた。
悪いと言われる事も気にせずやりまくった。それはそれで楽しい時代だった。
いつしか皆卒業していった。
俺も父親が亡くなって、完全に卒業した。
本物の火をかこんで、皆すこし日常を忘れる。
そこには月と星と、きれいに反射する川しかない。
寒さも忘れて、無心になって楽しんだ。
そこへ、酔っぱらいのKが登場した。アル中が進行中の憎めない男だ。
彼は一升瓶を片手に、なんと車でそこへ来たのだった。
恐るべし大胆さ、馬鹿さであった。
それは、俺が卒業した二十代前半の、あの頃と変わらない馬鹿さだったのだ。
しかし彼はその事を悩んでいた。
俺はそいつを酒の勢いと気合いで笑い倒した。
悩み無用!!その和田アキ子師匠の格言をKに授けると、俺もワインを飲みまくった。
ワハハハハ
すっとんきょうな、笑い声が響き渡る。
とにかくもう考えるのはよそう。笑ってすごせればそれでいい。
酒の酔いにまかせて笑いまくった。
ウインナーや、ラーメンまで作って、焼き芋以外の楽しみを作るこの会も、年々解散が早くなっているらしい。今年は二時くらいには解散したのだった。
昔は朝までやるのが常だったのだが。
相変わらずどころか、よりきりの体勢で、イノシシの如くArt街道を突っ走る俺。
自分の道の正しさを改めて確認したのだった。
人間やっぱり好きな事やっとらんと輝けん!!
そんな方言混じりで、悩みを吹き飛ばすのだった。
そんな芋の会も、よっぱらいのKを皆で送り届け解散した。
月はおぼろげに酒と涙でにじんでいた。