Jun 29, 2019

アンナ・ヴィット作品に参加

先日、豊田市美術館のキュレーターである能勢陽子さんから、インアビューしたいとの連絡をいただき、その後アンナ ヴィットさんのあいちトリエンナーレ2019豊田会場に展示される作品制作に参加する事になりました。

そこで豊田自動車勤務時代の記憶を遡ることに。
自分にとっては痛みを伴う記憶を徐々に語ることで癒していった気がします。

豊田自動車の取材にトヨタ会館に行かれたようでした。
自分としては、ブルーカラーの労働の現場の意見を聞いていただきたかったので、町外れの、以前アトリエとして使っていた工場をご案内しました。

その後、二回目では、集団でディスカッションを行い、マリエンタルの事例を聞きながら、今後の労働について考えることに。
日常の労働の動きを皆で見てシェアしました。

撮影当日は、様々な自動車関連企業で働く方々と共同作業を行い、未来の労働とは?についてディスカッションを行いました。

また日々の労働の動きを撮影した流れから、僕がアイデアを出し、個々の労働の動きを繋げてライン作業の様に、一連の流れとしてダンスの様なパフォーマンスになりました。

さらに、楽器を演奏した事がない人を含めたメンバーで即興的に演奏を行い、その様子も完成した映像作品の重要なシーンとして使用されました。

今回の作品を集団で制作する過程で、豊田自動車勤務時代の心の痛みが浄化され、カタルシスを得たように感じられました。

作品は豊田市民ギャラリーにてご覧になれます。

 

 

感想についてのテキストです。

アンナさんの制作に参加して最も印象的だったのは、彼女の基本姿勢である人間への信頼に基づいた、あらゆる労働という行為への賛美と、その身体性への彫刻家としての透徹した視線だった。私自身の自動車工場での労働体験をインタビューして頂いた事を契機として、普段脚光を浴びる事なく自動車産業の裾野をその身体や労働で支えるブルーカラーの方達をよりクローズアップしてもらった。そして映像作品制作のため集まった方達と共に日常の労働の動きを再現し、パフォーマンスに近い動きへと落とし込む過程では、彼らが日常的に抱いている思考形態や、観念、もしくは社会的常識が徐々に解体され新しく柔軟性を帯びた造形へと生まれ変わる過程を体験した。またディスカッションでは未来の労働とは?というテーマに対して各人が現在の労働環境や生活を含む現在地から未来への視点を語り合い、徐々に各人の抱いている観念や、思考形態が露わになっていき、皆で一つのマニフェストを作り上げるという目的に対して協働した。彼女の作品は映像という媒体に収まり展示される事になるのだが、実際には彼女のガイドの元、映像制作の過程で行われたパフォーマンスやディスカッション、即興音楽、作業着の解体と再構成を労働者自身が主体的に推し進めて行く中で、現実変革への芸術的アプローチが水面下で行われた社会彫刻であったとも言えるだろう。また制作の最後に行われたオノ・ヨーコのカットピースからインスピレーションを得た作業着を切ってバラバラのピースに解体する行為や、筋書きのない即興音楽演奏では、日常の労働を見つめ直す事で、現在の会社組織などにおける社会的役割かを問い直し、解放された個人が自然と芸術家としての振る舞いをするように自らを無意識的に再定義し、自発的にパフォーマンスや演奏を行いだしたのが最も印象深かった。
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