Sep 8, 2011
Parisへ 2
帰りに、じいちゃんの家へ行った。
じいちゃんは、今一人で住んでいる。ばあちゃんが、施設に入ったからだ。
じいちゃんが、ぜひ旅立つ前によってくれとのことだったが、時間も限られ、なんとかたどり着いた。
じいちゃんは風呂に入るとこだった。
チャイムを押すと、裸で出てきた。オムツをするその姿に、年とったよな~。そう思った。
無言で財布を捜すと、大変な経済状態の中、俺になけなしの一万円札を握らせた。
苦しい中でも、なにかしてやりたい。あつい九州の男らしい心だった。
あれだけPlay Boyだった粋な柳川男も、見た目はすっかり衰えた。
しかし、かっこ良かった。
じゃあかえるよと告げると、後ろを振り向かずに、裸の背中で、俺にさよならを告げた。
一万円は、重かった。
じいちゃんの気持ちが、後になって心を打つ。
ありがとうじいちゃん。
ガンですっかりやせた、じいちゃんの背中は男を静かに語っていた。
俺も負けない!!がんばるよ!!
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