Hawaiian wedding 6 サーフレッスン
その日の朝、Kayokoさんと、先生が迎えにきてくれた。
車にのって海へと向かう。
緊張していた俺に、先生は、リラックスさせてくれる空気を音楽や会話で作ってくれた。
やや乱雑だが、おおらかさのただよう車内に大好きなKeali’i Reichelの歌が流れた。
Beatlesのカバー曲、In my Lifeだった。
昔良く聞いた馴染みのある曲だが、Keali’i が歌うと、元の曲よりも暖かく、優しい心が響く。
このゆったりとした、暖かい心。
素晴らしい。
車でしばらく走ったとこにあるポイントは初心者向けのようだ。
海の色と浜が美しい。
先生はいろんな仲間と挨拶をかわしながら進む。
ビーチにつくと、早速レンタルボードをもって海へ。
先生が一人ずつ教えてくれるようだ。
内心少し怖かった。
初めての場所でのサーフ。
しかも随分久々だった。
そして前述したように、川で溺れてから時に水と流れが怖く、海でパニックになりそうな時があるのだ。
先生がパドルでついてこいと言った。
どんどん進んでいく。
俺も必死でついていく。
放任と、責任の両面からなるレッスンだ。
普段使っていない筋肉が疲労し、酸欠を感じる。
とにかく信じてこいだ。
先生が良いと思うポイントまで行き、早速乗ってみる事に。
ビーチは遠くに見える。
平静をよそおおうと呼吸を整え、笑顔で会話する。
少し怖かったが、先生への信頼と安心感が気持ちを和らげてくれた。
一本目の波に乗りやすいように先生が押してくれた。
立とうと力んだ瞬間、前に重心が掛かりすぎていて海にささった(笑)
どぼんと海に沈む。
もちろん足はつかない。
軽く焦りながらボードを辿って捕まる。
そこで呼吸を整え、恐怖心と戦う。
克服するしか無いんだ。
そしてまたパドル。
またもがんばってポイントまで行く。
先生の場所が果てしなく遠く見える。
そして次のテイク。
先生に任せっきりだが、良いポイントへと誘導され、波に乗る。
そして波の力を感じながら立つ。
おお気持ちいい。
波の上を板が滑り、波と同調してひとつになる。
その爽快感と楽しさの前にはいっさいの恐怖心も無く、ただ気持ちがよい。
その後も、一本気持ちの良い波に乗れた。
うれしかった。
そして猛烈に疲れてきたので浜に打ち上げられる事にした。
そこで未来と交代する。
未来も見よう見真似でパドルして、沖へと向かっていく。
怖がっているそぶりは無い。
そしてしばらくしているうちにあっけなく立っていたのだった。
バランスをなんとかとろうともがき、だんだん乗れてきたのだった。
早い。
先生の安心感と、確かな技術と経験あってのものだが、飲み込みと、運動神経、バランス感は抜群のようだ。
ちなみに先生は60歳くらいらしく、体力もあって、腕など俺の足ぐらいはゆうにある。
日焼けした姿はなんとも逞しい。
(その後俺も、体を大きくしようと豆乳やココナッツをたくさん飲んだり、たくさん肉を食ったりしてみたが、体調を壊して寝込んだので、すぐにやめた。)
何本か皆で楽しんで、シャワーをあびる。
心地よい疲れと自然の素晴らしさ、木々の緑、鳥の声、全てが変容して見える。
あらゆる感謝が湧いてくる。
やっぱり海は、サーフィンは素晴らしい。
感謝して帰宅した。
そしてきづくと2人で爆睡していた。
鳥は相変わらず元気な声で鳴いていた。